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不動産投資信託(J−REIT)は日本で成功するか?


J−REIT解禁から8ヶ月が経過しました。しかし、第1号は未だ登場せず、本家アメリカと比較して性格が少し異なることも認識され始めています。






<P> 不動産ファンドに関する記事などが頻繁に取り上げられています。しかし、内容をよく吟味しないと思わぬ火傷をしそうです。<BR> これまで、98年9月のSPC(特別目的会社)法施行、98年12月の私募投資信託と「会社型」投信と不動産の金融化のインフラは整備されてきました。さらに、昨年11月の法改正で「資産流動化法」と「投信法」が新たにスタートしました。改正投信法では従来型の「契約型」、信託銀行が投資会社となる「信託型」、そしてJ−REITと呼ばれている「会社型」の3パターンが用意されましたが、すでに問題点が指摘され始めています。</P><P><B>J−REIT(リート)の特徴</B><BR> 3つの投資ビークルは証券のほか、不動産に投資することで利益を上げ、投資家に利益を還元することになっています。一般の事業法人で言えば、粗利益から経費を差し引いた残りの利益の90%以上を投資家に還元することがこのビークルの使命となっています。<BR> たとえば、「会社型」は法人税課税のない不動産会社のようなものです。大きく違うのは税前利益の90%以上を投資家に還元することです。加えて、不動産流通税の減免があり、実際の取得原価は安くなります。一方で、日本版リートは投資信託委託業と呼ばれる運用会社にアウトソーシングするなど、ほとんどの業務を外部委託することが義務づけられています。ここが実質不動産会社である米REITと大きく異なる点です。<BR> また、3つのビークルが発行する証券(受益証券や投資証券など)は一定条件をクリアすれば東京証券取引所への上場が可能です。</P><P><B>J−REITは高利回り商品か</B><BR> J−REITは少額の資金で不動産に間接的に投資できることも特徴です。これまで、不動産投資と言えば大企業や資金が潤沢な投資家に限られるというイメージでしたが、このビークルの登場で50万円程度(制度上は5万円以上)の資金で運用が可能になります。<BR> 投資の直接の対象は主に不動産ですが、投資家は証券取引法上の有価証券に投資することになります。一般の株式と同様に、配当とキャピタルゲインが期待できます。<BR> 現在、大手の不動産会社を中心にJ−REIT組成の準備が進められています。その多くが関連会社を使ったスキームで、そのフィーについての検証が必要です。これらのフィーが割高で有れば、当然のように投資家への還元額が減り、利回りは低くなります。<BR> 巷では「ミドルリスク・ミドルリターン」、あるいは「4−5%の利回り」と述べているところもあるようですが、不動産特有のリスクの認識が欠落していると思えます。<BR> そもそも、この低金利下での設定を基準にすると、金利上昇局面では他の金融商品などと競合できなくなります。なぜなら、J-REIT投資は期間の長い不動産運用だからです。<BR> このように運用資産である不動産が将来性のある優良物件でなければ、陳腐化リスク、立地変動リスクなど多くのリスクをヘッジすることは非常に難しくなってきます。<BR> ですから、この商品はハイリスクなのです。運用会社の倒産隔離、不動産鑑定評価の厳格化、フィーの適正化、そして不動産を運営・管理するプロパティ・マネジメントなど、周辺ビジネスにおける専門性と費用対効果の集積がなければ、リターンはそう多くは望めません。まして、関連会社の利益調整や利益相反、不良資産のゴミ箱化にこれらのビークルが利用されると市場の信認は得られません。証券会社にしても説明責任や金融商品販売法を棚上げして、手数料ありきで販売を行うと思わぬしっぺ返しが待っています。</P>

ディー・ディー・マイスター(株) 代表取締役 岡内幸策