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ビッグマックは為替レートとどんな関係?


為替レートが1ドル=80円になると聞いてびっくりしますか?ビッグマックの価格を元にして為替レートを計算すると、実は80円/ドルという水準まで円高になる可能性も捨てきれないのです。






ビッグマックは為替とどんな関係があるのでしょうか?
その前に、為替のレートはどんな要素で決まるのでしょうか。金利、物価、成長力、GDP、国際収支、投資家の心理、チャートなど、為替はいろいろな要素が絡み合って決まりますが、それらに基づいて様々な説が唱えられてきました。しかし、一番“有名”だと言っても過言ではないのが、「購買力平価説」かもしれません。

購買力平価説とは?
購買力平価説とは「モノの価値は一つである。」という考え方で、「世界各地で売られているビッグマックの価値も一つである」と仮定して為替のレートを計算した方法がビッグマック指数です。ビッグマックほど、世界各地で売られていて、多くの人が手にする共通の食べ物はないのではないか、という考え方からイギリスの経済誌「エコノミスト」が提言したのが始まりです。

例えば、ビッグマックが、日本では300円、アメリカでは3ドルで売っているのであれば、300円÷3ドル=100円/ドルといえるのです。
実際は、日本(東京)では290円で、アメリカでは約3.5ドルですので、ビッグマックを元にしてあるべき為替レートを計算すると、実は約80円/ドルとなるわけです(本来は、日本の消費税、アメリカのSalsTaxを考慮しなければいけませし、日本のビッグマックは地域によって10円程度異なりますが、あまり変わりませんので省略して考えます)。

大企業の予想は?
実際に、先日発表された日銀短観によれば、大企業の想定している為替レートは3月発表の日銀短観よりも約6円〜10円も円高と想定しており、企業によっては100円を切るレートを想定しています。80円/ドルは大げさかもしれませんが、やはり、短・中期的には、円高になる可能性が十分にあるかもしれません。

為替はそのままでも、物価が上がるかもしれない?
このビッグマック指数は、「物価を元に、為替の変動を計算する」考え方なのですが、それとは逆に、過去には「為替を元に、物価が変わってきた」こともあります。
例えば、1985年秋のプラザ合意によるドル安への誘導策で、1980年代後半は一気に円高が進みました。そのときには、製造業が血のにじむような努力をして、製品の価格を下げていきました。そうして、為替が変わった事により物価が下落しました。

そんな例から考えると、今の為替レートを元に物価はどれくらい変わるのでしょうか。1ドル=100円だとすると、アメリカで3.5ドルのビッグマックは日本では350円ということとなり、現在(290円)よりも25%以上は物価が上がることになるかもしれません。
もちろん、全ての物価が25%も上がるとは考えにくいですが、実際にガソリンの値上げや食料品の値上げを見ていると25%程度の物価の上昇はすぐそこかもしれません。

製造業の国際競争力
上記でふれた1980年代後半には、円高に対応するために我が国の製造業が血のにじむような努力をして国際競争力をつけていきました。
一方、ここ数年はと言うと、政府が円安に誘導していったので、表向きはかなりの数の輸出企業が過去最高益をたたきだしており、景気も上向いていたように見えましたが、今年の決算は円高を受けてかなり利益が少なくなってきています。そして、最近は景気も悪くなってきているという経営者も多くなってきています。今後も円高が進むのであれば、さらに企業の業績は悪化していくと考えられます。

円安が良いの?円高が良いの?
外貨に投資をしている方にとっては、円高は損を意味しますし、上記で見たように輸出立国である日本の景気にとっても円高は損を意味します。
したがって「日本にとっては円安の方が良い」と思っている方も多いかと思います。
しかし、日本は輸出立国であると同時に、食料品を始めとする生活必需品を輸入に頼っている一面もあるのです。その面から見ると、円安が必ずしも良いとは限らないのです。
ガソリン、小麦、乳製品、食用油、マヨネーズなど、様々なモノの値段が上がってきていますが、円高だったらどうでしょうか?今の食料品等の値上げは、商品価格の高騰を受けているのが原因の一つと言われていますが、円高だったらここまでひどい値上げにはならなかったかもしれません。

こう考えてみると、円高も悪いものじゃありません。海外旅行に行く場合や、海外のブランド品を買うときも円高だと安く済みますよね?海外に行かなくても、食料品等が生活費の多くを占めれば占めるほど(庶民であれば庶民であるほど)円安による物価上昇の被害を受けているのです。

為替は、プロでもなかなか予測することは難しいと言われています。ですから、安易に「これ以上の円高はないから、今が外貨投資のチャンスだな」などと判断するのは危険だと思います。これを機に、身近なビッグマックを参考に為替レートを違う視点で見つめてみるのも良いかもしれません。

ファイナンシャルプランナー 小山 武仁