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2008. 5.16
サブ・プライムによる不良債権問題の恐ろしさ
2008. 2.10
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2008. 2. 4
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2008. 1.28
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2008. 1.24
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2008. 1. 4
2008年金融市場の焦点は「中国バブル」?
2007.12.25
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2007.12.17
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2007.12.10
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2007.11.27
米国経済への悲観から株安?影響を見極めて
2007.11.19
対米ドルで続く円安、そろそろ深追いは危険?
株式は既に安値圏、
でも上昇しにくいのはナゼ
プロの投資家の間では、既に株式市場はかなり悪い将来を見込んで、更に一段と大きく下がることはないというのが大方の予想。そんな中、市場がなかなか上がらないのはなぜなのでしょう。
日経平均は2年ぶりに14,000円割れ
株式市場は非常に脆弱な状態が続いています。特にひどいのは日本の市場で、日経平均株価はついに2年2ヶ月ぶりに14,000円の大台を割り込みました。昨夏には18,000円台でしたので約25%も下落しています。
しかしながら、言うまでもなく株式市場が不安定であることの最大の原因は米国の不動産バブル崩壊です。世界最大の経済大国である米国経済の減速は世界中に大きな影響を与えます。日本株がその中でも最も大きく下げているのは、日本と米国との経済的結びつきが他国と比べて比較的強いことから米国減速の影響を大きく受けると見られていることと、日本株市場は中長期的な少子高齢化・競争力の低下が予想されていることから「成長・発展」を期待した資金が入ってきにくいため、世界的に株式市場が動揺してくると真っ先に売られてしまうことがその原因です。日本経済が物凄く他国に比べて悪いわけではありません。ただ、中長期的に見て日本経済にはそれほど明るい未来がどうしても描けませんので、世界全体が悪い時にはどうしても激しく売られてしまうのです。
米国経済の先行き不安を示す記事・ニュースが多いが・・・
さて、問題の米国経済ですが、メディアの報道では米国経済の先行きはますます悲観的になっているように感じられます。そうなることによってこれからますます株式市場が下落していくようなイメージをどうしても抱いてしまうような内容です。
ただ、投資のプロの間ではいくつかの理由から、既に株式市場はかなり悪い将来を織り込んでおり、ここから一段と大きく下がるような状況ではないという見方が一般的になっています。
企業収益と比較すれば、現在の水準は既に「割安」
まず、世界の株式市場は既に「割安圏」という見方が一般的です。もっとも一般的な「一株あたり純利益」と比較する指標であるPER(株価収益率)で見ると、世界中のほとんどの市場の株価が今後かなり景気が落ち込んで企業の利益が減ったとしても、現在の水準であれば割安であると計算されています。
日本株については、PBR(株価純資産比率)という「企業の純資産(資産−負債)」と比較した比率をみても、既に株価が純資産以下となることを示す1倍を割った銘柄が数多く見られ、非常に割安な状況にあります。
そもそもサブ・プライム問題が激化する前のここ数年の株式市場の好調時にも、企業収益や財務状況が非常に改善している割には株式市場の上昇はそれほどでもないことが安心材料となってきました。これは、経済2000年のITバブル崩壊後に各国の企業がリストラを行いかなり高収益の体質になったことや、グローバル化により世界経済全体の生産性が飛躍的に高まっていることがその背景にあるのですが、こうした「好要因」はサブ・プライム問題が激化した現在でもまったく変っていません。株式市場はこうした「収益・財務的な裏づけ」がある限りは、そうそう大きくは下げるものではありません。
世界の中央銀行は今後金融緩和を加速
こうした「割安さ」に加えて、各国の中央銀行が金融緩和を積極化させる見通しが高まっていることも市場の下支えになります。米FRB(連邦準備制度理事会)は、非常に慎重なペースで、徐々に金融緩和に対して積極化しつつある姿勢を強めています。FRBの政策決定会議であるFOMC(連邦公開市場委員会)は年に8回開催されますが、昨年の9月から3回の利下げを行っています。市場参加者はもっと素早く大規模な対応を希望していますが、FRBは市場参加者の金融緩和に対する期待が行き過ぎないように、インフレ・リスクが残っていることを強調しながら緩和を進めています。
既に債券市場では米国の金融緩和は今後2年弱続き、最終的に現在4.25%の政策金利が2.5%程度まで下がる可能性を織り込んでいます。つい2ヶ月前まではせいぜい下がっても3.5%程度までと考えられていましたので、金融緩和に対する期待は順調に進んでいますし、それに対応してFRBも緩和に対する積極姿勢を強めています。実際に金融緩和がどの程度のものになるのかは現時点ではまだなんともいえませんが、少なくとも、FRBが必要なだけ緩和を行う姿勢があることははっきりしてきました。これにより株式市場は支えられるはずです。
欧州、アジアの景気がどの程度冷えるかがカギ
以上のように「割安さ」と「金融緩和」により株式市場は大きく落ち込むことなく、今後悪材料を全部織り込めば上昇を始めるという見方がプロの間では既に一般的になっています。ただ、それでも問題がないわけではありません。
唯一、かつ最大の問題は、世界の景気が予想以上に落ち込み、企業の利益や財務体質が想像を絶するほどに悪化するリスクがないわけではないことです。そのカギは、米国経済がどの程度実際に悪化するのか、また、それにより欧州や現在絶好調の中国を中心とするアジアがどの程度影響を受けるのかにかかっています。
とくにアジア経済については大きく落ち込むことを想定している人はほぼ皆無の状況ですので、仮に状況が想像以上に悪化すれば、株式市場は一段の下落を余儀なくされるでしょう。
逆に言えば、それさえ回避されるメドが立てば、株式市場は反転上昇するはずです。今年の市場の最大のテーマは、欧州・アジアの景気がどうなるか、そこにかかってくると筆者は考えています。
グローバル債券ファンドマネージャー 鈴木 英寿