2008. 5.16
サブ・プライムによる不良債権問題の恐ろしさ

 2008. 2.10
まもなく開催、重要な東京G7のテーマを占う

 2008. 2. 4
混乱状態の金融市場、円安復活は当分望み薄?

 2008. 1.28
大統領選の予想が為替市場に与える影響は?

 2008. 1.25
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 2008. 1.24

 2008. 1.11
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 2008. 1. 4
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 2007.12.25
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 2007.12.17
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 2007.12.10
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 2007.12.10
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 2007.12. 5
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 2007.11.27
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 2007.11.19
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 2007.11. 9
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年末年始のマーケット「大荒れ」の本当の理由

年始に為替市場を久々にチェックされた方は驚かれたのではないでしょうか。年末年始、マーケット大荒れの裏には何があったのでしょう。






クリスマス明けから年始にかけて株式市場急落・急円高に
 あけましておめでとうございます。皆様年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか?金融市場は大荒れです。休暇中に市場の動きをチェックされていなかった方はさぞ驚かれたことだと思います。

 日経平均株価は15,500円台から14,500円まで下落、NYダウ平均株価も13,500ドル台から12,500ドル台まで下落、為替相場は円/米ドルが114円台から108円台まで円高、円/ユーロも166円から160円そこそこまで円高と、比較的大きく「リスク可否」の方向に動いています。

今回の下げはこれまでとは一味違う
 メディアではこの一連の動きの背景を「サブ・プライム問題」と一様に伝えています。しかしながら、よく見ると今年の夏以降の動きと今回の動きは少々異なっています。

 まず、今回の下げは「信用不安」が背景にあるわけではありません。世界の株式市場はサブ・プライム問題が激化した昨年夏以降、8月と11月の2回大きな下げを経験していますが、これはいずれも信用不安が原因でした。

 8月の動きは、それ以前まではサブ・プライムに対する警戒がまだ薄かったところに「ヨーロッパの金融機関がサブ・プライム関連で破綻の危機に瀕している」という意外なニュースが飛び込み、中央銀行が突如巨額の資金供給を始めたことがきっかけでした。振って沸いたような「金融機関の破綻懸念」というニュースが信用不安につながりました。

 その後、米国が金融緩和を開始し一時は市場はパニックから立ち直りましたが、11月に入って欧米の大手金融機関が人々の想像以上の損失計上を発表し、これが再び信用不安を煽りました。これに対して大手金融機関は中国や中東を中心とする「政府系ファンド」からの資本供給により命をつなぎとめた格好になり、下げ相場は止まりました。

信用不安は収まっても、景気に対する不安はもう収まらない
 しかしながら、今回の12月下旬以降の下げは信用不安が発生しているわけではありません。実は12月12日に米、ユーロ圏、英、加、スイスの中央銀行が信用不安を鎮めるために「国際協調して」資金を供給するという発表をして以来、信用不安は急速に落ち着いています。これは金融機関のいわゆる「資金繰り倒産」を回避するために、中央銀行が無尽蔵に資金を提供するという強力なもので、銀行間の資金を融通する短期金融市場で見られていた混乱はかなり沈静化してきています。

 では下げの原因はいったい何でしょう?メディアでは、米FRB(連邦準備制度理事会)は利下げを断続的に行っているものの、市場参加者の中にはその動きが遅いと感じている人が多く、また各種の議事録等からFRB内部の議論が割れており今後の政策がどのように行われるのかが読めないことが不安を誘っていることが理由に挙げられています。筆者もこれは一理あると思っています。が、債券市場では依然として今後約1年に渡って大幅な利下げが実行されることがほぼ確実視されていますので、足元の動きが鈍いことが過去2回の下げに匹敵するような状況をつくるような悪材料とも思えません。

 筆者は、答えはおそらく「景気減速不安」が予想以上に強いことが徐々に浸透してきているためだと考えています。12月下旬以降に発表されている経済指標はこれまでも弱っていた米住宅関連の指標も含め、ほとんど全ての指標が予想を上回る悪化を示しています。景気減速はこれまで堅調であったヨーロッパにも飛び火している可能性が高まっており、今後は「世界同時不況」の様相を強めてくると考える人がどんどん増えています。

 加えて、金融当局の動きは今後もゆっくりとした状態が続く可能性が高いと考える人がどんどん増えているのもその要因かもしれません。日本の週刊誌でも「インフレ」「値上げ」の文字が目立ちますが、足元の状況は世界共通でほとんどの国でインフレ率が上がっています。このような状況で積極的に利下げはなかなかできません。

円相場は「景気がどの程度まで悪くなるか」次第?
 筆者は「景気不安」は今後もしばらく続き、株式市場の頭を抑え続けるものと見ています。基本線としては、株式は既に企業収益と対比してみれば割安で、この水準から大きく落ち込む可能性はそれほど高くないと見ていますが、世界の景気が予想以上に悪いということになれば思いもよらない下げがあっても不思議ではないと考えています。

 円相場は株式市場が踏みとどまっている限りは、それほど急激な円高にはならないと見ています。円は対欧州通貨、対オセアニア通貨ではかなり割安になっているため、金融市場が再び好調となり「キャリー・トレード」が活発に行われるような状況にならない限り力強い円安が復活する可能性は低いと見ていますが、中長期的な日本の生産性を考えれば円安になりすい環境にあることも確かであるため、逆に大きな円高に動く可能性も、金融市場がよほどの混乱に陥らなければ少ないものと考えられます。

 ただ、市場が思いもよらないような混乱に陥れば、いわゆる「キャリー・トレードの巻き戻し」により大きな円高になる可能性はあります。従って、今後の市場を占う上でのキー・ポイントは、まず米国経済の減速がどこまで続くか、次に欧州がどの程度の影響を受けるか、さらに今のところほとんどノー・マークであるアジアの景気が年後半以降どうなってくるかというところではないかと考えています。

グローバル債券ファンドマネージャー 鈴木 英寿