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今って実際のトコロ、
円安なの?
円高なの?
「円安」「円高」の基準って、対米ドルだけを相手に考えてはいませんか?実際には多国間のレートを見る必要があるってご存知ですか?
先日、知人がフランスに旅行に行ったと言うので話を聞いてみました。「ホテルで普通に朝ご飯を食べようとしたら、300ユーロだった」とのこと。1ユーロ=164円(執筆時点)ですから、日本円に直すとなんと約5,000円もするんです。「朝食の中身があまりにも普通すぎて、ホントにショックだった」らしいのですが、日本の高級ホテルの朝食でも、この値段はありえませんよね。
ニュースでは、日々「円高ドル安」「円安ドル高」などと取り上げられています。対米ドルだけを見ていると、多少の前後があるもののこの数年の変動は他の通貨に比べて少ないと言えるでしょう。ですが、その陰では円の価値が下がっているのをご存じですか?
実は急激な円安?
例えばこの3年で、対ユーロ、対ポンドでは20%弱、対豪ドルでは20%超、対ウォンに至っては30%も下がっているのです。5年で見るともっとです。
「米ドルにしか投資していないから関係ない」「海外旅行に行かないから関係ない」ではすみません。日本は資源がない国ですし、いろいろな国との貿易で成り立っている国です。外国投資をしていなくても、海外旅行に行かなくても、これらの影響を受けているのです。ですから、海外に投資をしようと思っている方は、特に注意しなくてはいけません。
では、どんなことが起きているのでしょうか?
実効為替レート
例えば、円がドルに対して同じ水準でも、円が他の通貨に対して安くなれば、全体的に見て円の価値は下がっているのです。ただ、今までは米国との取引が多かったため、円の価値というのは、対ドルをみていれば良かったのです。
ですが、これからは二国間のレートだけでなく、多国間のレートも見なければいけないのです。多国間のレートの代表的なものが「実効為替レート」と呼ばれるものです。これは、毎月「日銀」から発表されるもので、二国間の為替レートを見ただけではわからない、ホントの円高・円安を見極めることができるのです。
では、どんな仕組みなのでしょうか?仕組みを書くと長くなりますので、どのような事項が実効為替レートに関係してくるのかを覚えておきましょう。まず一つは、その国との貿易など取引の量です。
日本の貿易額の変化
日銀のHPには、「具体的には、円と主要な他通貨間のそれぞれの為替レートを、日本と当該相手国・地域間の貿易ウエイトで加重幾何平均したうえで、基準時点を決めて指数化する形で算出します」と書かれています。
・・・、難しいですね。簡単に言うと、「対米ドルなど貿易などの取引額が多い国との為替レートは影響を大きめに、取引額の少ない国とのレートは影響を少なめに」と言うことです。1990年後半までは、米国との貿易がメインであったため、対米ドルの相場だけを見ていれば、円の価値も測れていましたが、今はヨーロッパや、中国などのアジア各国との貿易も盛んになってきています。対米ドルだけでなく、ユーロやアジア各国との為替の変動が与える影響が高まってきているのです。
よって、対米ドルの相場は、この数年は比較的安定しているように見える陰で、ヨーロッパ経済の好調、中国を始めとするアジア各国の台頭により、円の価値は低くなっているのです。
物価上昇率の影響
もう一つは、物価の上昇率です。日本と外国との物価上昇率の差も影響してきます。日本より外国の物価上昇率が高い(日本の物価上昇率が外国よりも低い)と、円の実質実効為替レートは低くなり、円の価値が低くなったと考えます。ずっとデフレが続いていた日本は、外国よりも物価上昇率が低かったため、円の価値が低くなっていきました。
こんな事情から、実は今の円の価値は、1985年のプラザ合意の時点と同じレベルなのです(ちなみに、当時の対米ドルの為替レートは235円/ドルです)。
実効為替レートの見方
普通は、1ドル=100円から、90円になったら円高となるように、1ドルが基準となっていますが、「実効為替レート」は、逆に日本円1円が基準となっていますので、「実効為替レート」が大きくなった場合が「円高」、小さくなった場合が「円安」と考えます。
今後の投資
ここまで見たように、二国間のレートを見ただけでは、その国の本当の価値はわからないのです。それは日本だけでなく、他の国も同様です。
我が国の実効為替レートは、上記でも触れたように日銀が毎月発表していますので、日銀のホームページをご覧いただければと思います。
では、これから外国投資しようと思う国の価値はどのように見れば良いのでしょうか?
これは、国際通貨基金(IMF)や各国の中央銀行が算出していますので、それを参考にしましょう。
しかし日本語のホームページなんて国がほとんどですので、証券会社や外為のFXの業者に聞くのが一番早いかもしれませんね。
海外への資金流出
対米ドルだけを見ると米ドルが安くなっているため、円高ドル安になったりもしていますが、決して我が国の価値が高くなっていると言うわけではないと思います。年金の不安、少子高齢者社会など、日本の将来について、悲観的に思う人は年々増えていると感じるからです。
日本の会社に投資をする場合においても、日本円の影響をうける我が国の市場でなく、ドル建てでNY市場に投資をしたり、ポンド建てでロンドン市場に投資をしたりと、円安に影響をうけない、そんな投資をする方も増えているようです。
ファイナンシャルプランナー 小山 武仁