2007.10. 2
米国のサプライズ、0.5%利下げの衝撃

 2007. 9.26
米ドル安再開、米国の大幅金融緩和はホント?

 2007. 9.18
サブ・プライム・パニック後の株式市場を占う

 2007. 9.10
サブ・プライム問題、中央銀行の巧みな対策

 2007. 9. 3
サブ・プライム問題は今後どう収束する?

 2007. 8.31

 2007. 8.21
なぜ米国の住宅ローン問題で米国以外が大影響

 2007. 8.10
「分からないことだらけ」で株式市場急落?

 2007. 8. 6
住宅不動産問題で米ドル全面安はどこまで続く

 2007. 7.30
今って円安バブル?弾けてみないとわからない

 2007. 7.24
為替市場に影響与えるサブ・プライム問題って

 2007. 7.17
魅力的な新興国の高金利通貨はここに注意

 2007. 7.13
世界の株式市場が冴えない原因はやっぱり・・

 2007. 7. 9
個人投資家のFXブームで円安バブルの懸念

 2007. 7. 2
金利の落ち着きでドル安、円安傾向が復活

 2007. 6.29
「分散投資」と「ヘッジ」はどう違う?














緊急提言!
米国サブプライム問題からの教訓


米国のサブプライム問題が世界の金融市場に大きな影響を与えています。そもそも今回のようなリスクは回避可能だったのでしょうか?






なぜ米国のサブプライム問題が世界中に影響を与えてる?
 米国のサブプライム問題が発端となり、世界の金融市場が大きく動揺している。日本の株式市場も例外ではなく、日経平均は1週間で1490円(8.9%)の下落となった。お盆休み返上という関係者も、少なくなかったのではないだろうか。

 しかし、よく考えてみれば不思議なことである。米国のサブプライム問題とは、“あくまでも”米国の低所得者層の住宅ローン焦げ付き問題である。それがどうして世界中の金融市場を揺るがすことになったのか。日本の企業のファンダメンタルが大きく悪化したわけでもない。それがどうして日本の株式市場の大幅下落につながるのか。そう思っている方も少なくないのではないだろうか。実際、米国のサブプライム問題自体は、随分前からいろいろな人が指摘し、誰もが認識していたはずの“リスク”でもある。それがなぜ今頃問題になるのか。事実、プロの投資家の間でも、サブプライム問題のリスクは認識しながらも、ここまでの影響の大きさを予想できた人は、ほとんどいなかったのではないだろうか。

世界の金融市場は繋がっている
 こうした“予想外”ともいえる金融市場の動揺をもたらした最大のポイントは、“繋がり”という言葉で表現できるかもしれない。「世界の金融市場は全て繋がっている」と言えば、「そんなことは言われなくても分かってるよ」と言われるかもしれない。しかし実際には、誰もがそのリスクをきちんと認識できていなかった。それが、今回の動揺がここまで大きくなった主因ではないかと思われる。

 “繋がり”というのは、要するに、「日本の株式市場を評価するのに、日本の株式市場だけを見ていてはダメ」ということである。全てが“繋がり”を持つ現在の世界では、日本の株式市場も、もはや日本人だけのものではない。むしろ外国人投資家の動向の方が、日本の株式市場に大きな影響を与えている。こうしたことは頭では理解できていても、実際にお金の流れは目に見えないので、多くの人がその本当の姿を理解できていない。街で外国人の姿を多く見かけるなあと思うよりはるかに多く、既に日本には、外国からのお金が流入してきているのが現実だ。

 日本の株式市場における外国人投資家の影響が大きくなるということは、彼らが必然的に利用する為替市場にも大きな影響を与えることになる。また当然に、彼らの本国での市場環境の変化も、日本の株式市場でのかれらの投資動向に大きく影響を与えることになる。このように、日本の株式市場を評価するのに、世界の株式市場、また為替市場、金利・債券市場などと、全ての“繋がり”を理解しておく必要がある。なぜなら、これこそが現在の世界のお金の流れであり、それが何かの拍子に一気に逆流した為に起こったのが、今回の世界の金融市場の動揺であるからである。

投資にも危機管理のシミュレーションは必要
 今回のような動揺を克服する為には、通常の危機管理ではダメである。数年前、東京で大きな地震が起こったとき、私は以前から頭に描いていた帰宅の為の代替案がことごとく無駄になり、結局徒歩で何時間もかけて帰宅した。全ての電車・バスがとまり、道路は大渋滞となったのである。複数の帰宅路線があるからと高を括っていた私がその時受けたショックは、米国のサブプライム問題を所詮米国内の問題と高を括っていた投資家が今回受けたショックと、似ているのではないだろうか。その地震の後、首都圏では徒歩で帰宅する為の地図が飛ぶように売れた。こうした極端な動揺を克服する為には、電車・バス・車といった科学技術には頼れず、結局最後は自分の足に頼るしかないということだろうか。であれば、正規分布を仮定するほとんどの金融工学は役に立たず、“こんな時どうするシナリオ”を持って、常にシミュレーションを行っておくことぐらいしかないということだろうか。

外資系コンサルタント 円城寺真哉