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「分散投資」と「ヘッジ」はどう違う?


何事においても「リスク管理」は重要であるとよく言われます。投資においても同じことですが、でもリスク管理って具体的にはいったい何をすればよいのでしょうか?






投資のリスク管理ってどうするの?
 『投資にはリスク管理が重要』とよく言われます。しかしプロの投資家ならともかく、個人投資家の場合などは、それを概念では理解できても、具体的にはどうすればよいのか、きちんと理解している人はそう多くないでしょう。一言に個人投資家といっても、その投資スタイルは様々です。従ってリスク管理の方法も、それぞれの投資スタイルによって異なります。

 例えば、個人投資家の代名詞のようになっているデイ・トレード。実は、超短期間で売買を頻繁に繰り返すというその投資スタイルそのものが、リスクを適切に管理していることになっているのです。リスクの大きさは、ポジションを抱えている(株式を買っている状態など)期間の長さに比例(厳密には平方根に比例)する為、その期間を極力短くすることで、リスクも小さく抑えているのです。これは、敵の懐に入っては離れる、を繰り返すボクシングの「ヒット&アウェイ戦法」に喩えると分かりやすいかもしれません。

 では、もっと中長期的に株式投資を考えている個人投資家のリスク管理は、どうすればいいでしょうか。ものの本などを読むとよく書いてあるのが、「分散投資」や「ヘッジ取引」といった言葉です。確かにこれらは、中長期的な投資におけるリスク管理を考える上で大切なキーワードではありますが、それぞれどういう意味の違いがあるのでしょうか。

「分散投資」と「ヘッジ取引」
 まず「分散投資」について。分散投資は「集中投資」の反対語で、例えば500万円の投資資金を持っていた場合、500万円を1銘柄に全額投資するのではなく、100万円ずつ5銘柄に分けて投資するなど、文字通り“分散”して投資することをいいます。競馬などでいう、一点勝負と三点買いの違いを考えれば、なぜ分散投資がリスクを制御した投資手法といえるのか、すぐにお分かりいただけることでしょう。分散投資は株式投資の場合だけでなく、為替への投資などにおいても有効に活用されています。身近な例では、外貨建預金がそうです。100万円を外貨預金しようとする場合、全額米ドルなどの1つの通貨に預けるよりも、例えば25万円ずつ、米ドル、ユーロ、豪ドル、スイスフランなどに分散して預けた方が、リスクの小さい投資になるのです。

 次に「ヘッジ取引」ですが、これは一言で言うならば、“保険”のようなものと考えればよいでしょう。つまり保険のように、自分の期待していた方向の相場変動ではなかったという不幸なことが起こった場合に、逆にお金がもらえる取引を、新たに行うことになります。例えば株式を買った場合、当然その株式が値上がりすればハッピーなわけですが、ちょっと先行きが怪しくなった場合などに、逆に値下がりすれば儲かる取引を新たに行います(信用売りのような取引がそれに該当します)。そうすれば、元々買っていた株式から損が出ても、新たに行った信用売りから利益が出て、相殺できるというわけです。

個人投資家のリスク管理は分散投資で
 この説明を聞いて疑問に思った方は正しいです。『わざわざ新たに信用売りをするくらいなら、元々買っていた株式を全部売却、一部売却すればいいのではないか・・・』。その通りです。ヘッジ取引というのは、もともと企業などにおいて、商売上のお付き合いで持っている他社の株式など、簡単には売却できないようなものに対して使われるものなのです。他にも、自動車産業などの輸出企業が、収益として得られる外貨をヘッジする為替予約や、スキー場やビール会社など天候に業績が左右されやすい企業が、天候デリバティブなどを使って、天候が期待通りにならなかった場合にお金がもらえる取引を行うなど、ヘッジ対象が根本的なもので、それ自体なくしたり縮小したりできない場合に行われるものなのです。

 従って個人投資家のリスク管理においては、株式投資自体、個人にとって根本的なものではない為(株式投資しなければ生きていけないということはないでしょう)、ヘッジ取引も適当な手法ではないことになります。従って結論としては、『中長期スタンスの個人投資家のリスク管理は、分散投資によってなされるべき』、ということになるでしょう。

外資系コンサルタント 円城寺真哉