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さえない株式市場はイラン問題の影響?

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 2007. 4. 2
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 2007. 3.27
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 2007. 3.12

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「世界同時株安」で円急騰のそのワケは?


株式市場が世界的に大きな下げを見せています。直接的な原因はわかりにくいながらも、いくつか考えられる要素がありそうです。また、株の下落の影響で円高が進んでいるのはなぜなのでしょうか。






2月27日(金)の世界同時株安
 27日の海外市場において、ほとんどの国で株式市場が比較的大きな下げを見せました。下落率は米国株が約3.5%、欧州株が2〜3%程度、中南米の市場では約6%等となっています。明けて28日のアジアの市場も、日本株が一時約4%下げるなど大きな下げが続き、新聞などのメディアでは「世界同時株安」と大きく取り上げられています。

 今回の株式市場、下げの直接的な契機となったのが何かを特定することは非常に難しくなっています。ただ、色々な要因が複合的に組み合わさって、「今後の世界の景気はあまり良くないのではないか」「そうした実態に照らし合わせてみると現在の株価は世界的に高すぎるのではないか」、という懸念が出てきたことが原因であるのは間違いないと思います。

サブ・プライム・ローン・ショック
 今回の株安は、「債券高と円高」を同時に伴ったことが特徴です。「株安と債券高」が同時に進むのは、典型的な「質への逃避」です。景気の悪化や地政学的なリスク等によって金融市場のリスクが高まり、安全な資産へのシフトが進む時にこうしたことが起きます。

 今回の場合いくつか理由が考えられますが、最も大きなものはおそらく「米国の低所得者向け住宅ローン(サブ・プライム・ローン)の焦げ付きの急増」です。米国では不動産ブームが峠を越え、かなり急速に市場が悪化してきましたが、昨年の秋からは最悪期を脱したという声が高まっていました。秋以降の株高も基本的にはそうした見方によるもので、今年の1月くらいまではかなり楽観的な見方が多くみられたものでした。

 しかしながら、ここに来てその悪影響が顕在化してきています。米国では低所得者向けのローンを高金利で貸し付ける専門業者がおり、こうしたローンはかなり普及していますが、まずそこに影響がはっきりと現れてきています。これが今回の株安の最大の要因だと筆者は考えています。

イラン問題、日銀の利上げの影響
 また、この米不動産問題に加えて、「イラン問題」と「日銀の利上げの影響」も考えられます。日本ではあまり大きく取り上げられていませんが、イランは21日(水)が期限となっていた国連安保理からのウラン濃縮停止要請を拒否し、核開発の継続を宣言しています。これを踏まえて欧米では、日本で北朝鮮を巡る6カ国協議が大きく取り上げられるのと同様にこの問題が大きく報道されており、「地政学的リスクの高まり」に対する意識を強めています。

 日銀による利上げの影響も、決定当初こそ「まったく影響なし」、「材料出尽くしでかえって好影響」という見方が強かったものの、筆者は「これまで低金利の借り入れ通貨として世界中に円をばら撒いていた状態に影響がないわけがない」と考えてきました。実際、日銀の利上げが今回の株式市場の下落にどの程度の影響があったのかは分かりませんが、筆者は少なくとも下げを拡大する要因のひとつにはなっていると考えています。

株が下がれば円は上がる?
 こうした「景気減速観測」や「地政学的リスク」、あるいは「日銀による金融引締め」が、株安・債券高に結びついたことはお分かりいただけたと思います。残るのは、なぜ円高になるのかということですが、「日銀の利上げ」が円高の原因でしょうか?答えはイエスですが、利上げだけが原因ではないと、筆者は考えています。筆者の見方では「景気減速」も「地政学的リスク」も、今回の円高の原因になっています。

 一昨年以来、円と日本株の相関関係が、「株が上がれば円が下がり」、「株が下がると円が上がる」という一見すると不思議な関係となっていますが、これは株が上がると「リスク許容度」が上がる日本人投資家が、外貨投資を拡大させるというメカニズムで起きていると考えられます。そしてこのような行動を、日本人に限らず世界中の投資家が、いわゆる「円キャリー・トレード」を通じて行っています。

 この結果、円は過去30年間の変動相場制歴史の中でももっとも割安と言える水準まで下落しており、「円安バブル」が懸念される事態となっています。今回の円高は、投資家のリスク許容度が下がることを通じて起きたもの、と考えるのがもっともストレートです。今後も景気減速懸念が拡大し、さらに一段と株式市場が下げる場合には、よりいっそうの円高となる可能性もあるでしょう。

 ただ、日本経済は長期的な少子高齢化、低成長の可能性が極めて高いことから、円が持続的に上昇するとも考えにくいのが現実です。円が大きく下げた場合は、外貨投資のチャンスかもしれません。

グローバル債券ファンドマネージャー 鈴木 英寿