2007. 2.13
もうすぐG7、為替市場にどんな影響がある?
2007. 2. 3
今って円安バブル?破裂するとどうなるのかな
2007. 1.29
利上げ騒動渦中の日本、世界からは不信感?
2007. 1.19
景気軟着陸なら株はまだまだ上昇の余地あり
2007. 1.16
景気が良いのに円安の不思議、原因は日本株?
2007. 1.12
2007. 1. 4
為替市場の日本に対する期待は弱すぎないか?
2006.12.25
動き出した為替市場、でも円安はまだ続く?
2006.12.15
世界的な株式市場調整中は引締め過ぎが原因?
2006.12.11
3ヶ月ぶりに突然の円高、いつまで続く?
2006.12. 5
「松坂大輔に60億円」から為替相場を考える
2006.11.28
安定の為替市場、この先は米景気の影響が鍵
2006.11.17
最近の株高、持続のポイントはどこ?
2006.11.14
米ドル対円、今後の動きは日本のふんばり次第
2006.11. 7
回復の兆しを見せるNZドル、その背景は?
2006.10.30
北朝鮮の核実験、為替市場反応ナシはなぜ?
2007年為替市場のテーマを大胆予測
2006年も残すところあとわずかです。今年の為替市場、皆さんはどうお感じになりましたか?2006年を振り返りつつ、2007年のマーケットを大胆予測してみましょう。
2006年の投資の成果はいかがでしたか?
2006年も残すところあとわずかとなりました。皆様の今年の投資成果はいかがでしたか?12月27日現在で今年のリターンを代表的な投資対象について比較してみると(いずれも税前)、日経平均株価が+6.9%、米国株(S&P500指数、円建)が+約14%、外国株(MSCIコクサイ指数、円建)が+20%、新興国株(MSCIエマージング指数、円建)が+31%と、株式市場は世界的に好調、とくに新興国株が絶好調でした。
一方の債券市場を見ると、日本のMMF(各社)がだいたい0.15%程度、国内債(野村BPI指数)は+0.7%、米ドルMMFと加ドルMMF(各社・以下同)がだいたい4.5%程度、ユーロMMFが14%程度、豪ドルMMFが13%程度、NZドルMMFが10%程度、外国債(シティグループ世界国債インデックス・除く日本・円建)が+10%、ヘッジ外債(同・円ヘッジ)が−2.4%といったところでした。
特徴としては、株式と債券を比較すると株のほうが良い年でした。ヘッジ外債のリターンがマイナスとなっていることから分かるように、金利は世界的に上昇基調でしたが、日本の金利は海外に比べるとあまり上がりませんでしたし、また海外については円安の追い風があったため、為替ヘッジをしない限りは、総じてプラスのリターンとなりました。ただ、例外的に米ドルだけはほとんど円安とならず、他の通貨に比べると非常に見劣りする結果となりました。
2006年の為替市場は「景況感」が支配
以上、2006年の動きを為替市場のみに絞ってみると、「円と北米通貨が弱く、他は総じて好調の一年」だったといえます。これは景況感と完全に一致します。つまり、北米地域は減速感がはっきりしてきたことから通貨が弱く、日本も期待されていたよりも景気がいまいちであったことから円安で、欧州やオセアニア地域は思ったよりも景気が好調であったことから通貨が高くなるという具合です。
そうした意味で、今年の為替相場の特徴は「景況感が支配したマーケット」であったといえるでしょう。ちなみに2005年は「金利差」がテーマで、金利を先行して引き上げた米ドル、加ドルのみが好調となりました。もう少し振り返ると、2003年は「経常収支」がテーマで、経常赤字国の米ドルが大幅に下落し、経常黒字の日本円は好調でした。
為替市場のテーマはこのように年単位で変わります。従って2007年のテーマが今年と同じ「景況感」のままであるか、果たして別のテーマに移るのかはいまのところなんともいえません。
2007年のテーマを大胆予測! − 「水準訂正」
では、2007年のテーマとしてどのようなものが考えられるのでしょうか?筆者は、2007年は「水準訂正」の年になると考えています(以下はあくまでも筆者の年末にあたっての私見であって、確率は30〜40%くらいだと考えてください)。
ここ数年「金利差」・「経常収支」といったテーマが続いてきた結果、為替市場では歴史的に見て非常に割安化した通貨と、逆に割高化した通貨とに分けられるようになりました。その割安/割高の水準訂正が次の為替市場のテーマになる、というのが筆者の読みです。
割安化している通貨の代表が米ドルと円です。両通貨ともに、戦後の通貨制度が変動相場制に変わった1973年以来の最低水準にあり非常に割安です。米ドルには実は上昇するための追い風もあります。来年は、経常収支が改善する可能性が高いのです。景気が減速していることから輸入が相対的に減っており、かつ欧州やアジアの地域経済が好調であることから輸出は相対的に好調です。来年は思わぬドル高の年になる可能性もあるのではないか、と筆者はにらんでいます。
円の追い風は、市場に溜まりに溜まっていると推測される「円売りポジション」の巻き戻しです。円はいったん円高方向に動き出すと、おそらくかなり激しい円高になると予想されます。ただし、対米ドルでは上記の要因があるためそれほど大きな円高にはならないでしょう。
円高となる可能性が高いのは、割高化している通貨の代表である、ユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドルといったところです。これらの通貨は現在、円や米ドルとは逆に歴史的に見て1、2を争う割高水準にあります。欧州では景気に対する期待が現在かなり高いため、少しでも期待はずれになれば通貨安に転ずる可能性があります。また豪ドルやNZドルは日本からの資金で上昇している可能性がかなり高いことから、いったん円高に転ずるとそれが急ピッチで進む可能性が出てきます。
以上をまとめると、来年は「水準訂正」がテーマになって
(1)米ドル/円はそれほど大きく動かない
(2)ユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドルは大きな円高になる可能性がある
ということになります。仮にそうなれば、今年のように少なくとも「外貨建て資産=10%以上のリターンが当たり前」ということにはならず、マイナスも覚悟することになります。
2007年も皆様にとって良い一年であることをお祈り申し上げます。
グローバル債券ファンドマネージャー 鈴木 英寿