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パートタイマーの働き方と社会保険
パートタイマーの働き方によって社会保険の取扱いがどうなるか、労働時間や収入額について整理し、しっかり理解した上で効果的な働き方を考えてみてはいかがですか?
最近は、景気の回復とともに、雇用環境も順調に回復しつつありますが、個人の手取り所得については、必ずしも将来的に期待できる状況ではありません。そのため、世帯全体の所得を増加させようと、専業主婦の方がパートタイマーとして働き始めるケースが増えてきておりますので、効果的に働くにはどうすればよいかについて、特に社会保険の観点を中心に整理してみましょう。
正社員なみにバリバリ働きたいと考えている方を除いて、まずは社会保険に加入せず、ご主人の健康保険の被扶養者として認められる範囲内で働きたいと思う方が多いでしょう。そこで、パートタイマーの方が社会保険に加入しなくてもよいためには、労働時間がポイントになります。
(1)1日または1週間の労働時間が、同じ事業所で働く正社員の労働時間のおおむね4分の3未満であること
(2)1ヶ月の労働日数が、同じ事業所で働く正社員の労働日数のおおむね4分の3未満であること
のいずれかを満たせば、社会保険に加入しなくてもよいことになります。つまり1週間の所定労働時間が40時間の事業所であれば、1週間の労働時間が平均しておおむね30時間未満ならば加入しなくてもよいことになります。
ただし、時々ご主人の健康保険の被扶養者に認定されるように収入を抑えれば、労働時間に関係なく社会保険に加入しなくてもよいと誤解している方がいらっしゃるかと思います。原則として政府管掌の健康保険の場合、(1)60歳未満は年収130万円未満、(2)60歳以上・障害者は年収180万円未満の基準を満たしていれば、被扶養者に認定されることになりますが、パートタイマーの方の労働時間が正社員の4分の3以上であれば、上述のとおり社会保険に加入しなければならないので注意する必要があります。
このあたりを整理すると、社会保険に加入しなくてもよい基準を満たすために勤務時間を4分の3未満に抑えて、ご主人の健康保険の被扶養者として認定されるよう見込年収も
130万円(60歳以上・障害者は180万円)未満に抑えれば、自分で国民健康保険及び国民年金の保険料を負担しなくても済むので効果的な働き方となるでしょう。
参考までに、被扶養者としての認定基準には税法上と健康保険法上の2通りの考え方があります。税法上では給与年収が103万円未満で、健康保険法上では年収130万円(60歳以上・障害者は180万円)未満と、同じ被扶養者であっても少し基準が異なります。年収金額の違いもありますが、収入内容にも違いがあります。例えば通勤交通費や失業給付など税法上非課税扱いとなる収入については、103万円基準の給与年収に含める必要がないのですが、健康保険法上では課税・非課税の収入に関係なく、130万円基準の年収に含めて認定されることになります。すると本人の収入内容によっては、税法上では被扶養者扱いであるが、健康保険法上では被扶養者扱いとならない不思議なことも起こりえるのです。
ところで最近の傾向として、被扶養者の認定に関してかなり厳しい状況になりつつあります。健康保険組合では独自に採算が取れるかどうか検討しなければならないので、厳しくするのは当然ではありますが、政府管掌の健康保険の場合でも、同様の状況になりつつあります。それは少子高齢化に伴い、医療費が増加する中で、財政の悪化を少しでも抑えようとするために、保険料負担のない被扶養者としての資格を適正に判定しようというものだと思われます。その一環として、昨年より社会保険事務所が毎年定期的に被扶養者の認定状況を確認することになりました。これは現在被扶養者となっている方が、引き続き資格があるかどうかを確認するもので、今までは3年もしくは5年後くらいおきに行っていたのが、毎年被保険者自身が被扶養者の状況確認をして、必要事項を記入した書類を提出しなければなくなりました。場合によっては所得に関する証明書の提出も必要となり、不正な被扶養者は認めないという強い意思が感じられ、今後はさらに厳しくなりそうです。
最後に、バリバリ働く方は社会保険など気にしなくてもよいのですが、ほどほどの収入の範囲で働く方は、ぜひ労働時間・年収基準に留意しながら、効果的な働き方を目指して欲しいものです。
中央シーエスアカウンティング株式会社
社会保険労務士 古田敏明