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日本の国会議員の給料は世界最高水準!
新人議員・杉村太蔵氏の「歳費は2500万円」という発言に、“そんなに!?”と驚いた人も多いでしょう。日本の国会議員の歳費は欧米諸国よりも高く、世界最高水準!これって適正な額なの?
■ 国会議員1人に年間約4200万円!
国会議員の歳費(給与)は月132万8000円、期末手当(ボーナス)は約635万円、年収約2200万円(課税)です。さらに、杉村議員が「文書通信費が100万円も出るんですよ」と驚いたように、文書通信交通滞在費が月100万円、年間1200万円(非課税)が支給されます。その他、立法事務費が所属会派に議員1人当たり月65万円、年間780万円(非課税)支払われます。つまり、議員1人に対し年間約4200万円が税金から支出されるのです。衆議院議員480人、参議員議員242人の合計722人(定数)×4200万円=303億2400万円の支出ということになります(これ以外に議長や首相、閣僚などには役職に応じて増額)。
9月の総選挙で当選した新人議員にも年間約4200万円が支払われます。選挙で当選したのだから当然ですが、「早く料亭とか行ってみたいですよ」と発言する議員や「これから勉強します」と言う議員に約4200万円も税金から支払われるのかと思うと、頭がクラクラしてきます。
約2200万円の議員歳費は世界最高水準です。アメリカの議員歳費は年額約1700万円、イギリス下院は約970万円です。日本の国会議員は世界的にトップクラスの歳費を受け取っているわけですが、それに見合った働きをしているのかどうかが問われるのではないでしょうか。
■ 国会議員は何にお金を使っているのか?
国会議員の支出で一番大きいのは秘書、つまり人件費だと言われています。議員1人の秘書数は衆議院議員が10〜15人、参議員議員が7〜10人くらいとか。公設秘書2人と政策秘書1人の3人分の給与は国から支給されますが、他の秘書の給与は歳費などから出さなければいけません。
そのほか、議員会館は無料で、議員宿舎は低額な家賃で住めますが、地元の事務所の家賃や光熱費などがかかります。また、後援会向けに会報を出せば印刷代や郵送費に数百万円がかかります。ホームページで自分の政策や主張を訴えるとなると、見やすく、わかりやすいホームページを製作するには外注ということになり、やはり数百万円が必要になってきます。歳費だけで議員活動に関するすべての費用を賄うのは不可能というのも事実でしょう。
■欧米先進国の潮流は、歳費と立法経費を分け、選挙費用への流用を禁止
そもそも議員歳費は、議員の生活を保障するために職務に見合った報酬を支給するという性質のものだから、歳費から公的な議員活動の費用を出すのは適切でないという考え方もあります。そこで、日本でも前述した文書通信交通滞在費や立法事務費が支払われ、JRの無料パスなどが支給されているのです。
アメリカでは議員歳費とは別に職務手当が支給されています。下院議員には年額1億円以上、上院議員には年額2億円以上で、職務手当から秘書給与や通信費、交通費などを支払います。破格の職務手当ですが、使途明細書の提出が義務付けられていて、2〜3ドルの支出まで公表され、支出の報告に基づいて手当を支給する実費弁償方式が採られています。職務手当の使途は立法活動に限定され、選挙活動には使えません。職務手当で雇用した秘書が選挙運動に従事することは禁じられ、逆に立法秘書を選挙資金で雇用することもできません。
イギリスでは秘書雇用手当が約1000万円〜1200万円、ドイツも約1000万円程度です。イギリスは秘書3人程度、ドイツは6〜7人程度ですがパートタイムが大半とか。スウェーデンやポルトガルなどは議員個人の秘書の雇用を認めず、会派スタッフの一部を国費で雇用しています。ドイツでは議院内の会派活動の援助のために総額約70億円の会派補助金が支出されています。それとは別に選挙運動支援として政党への国庫補助制度があるので、会派補助金を選挙に使うことはできません。
アメリカは大統領制であり、立法活動が議員個人の力に負っているところが大きく、議員への手厚い職務手当があります。一方、議院内閣制のヨーロッパでは、政党・会派が政治の中心となるので、議員個人の秘書を認めない国もあるほどで、議員歳費を抑え、会派補助で立法経費を賄おうというシステムのようです。
■ 使途の明確化と透明性の確保が課題
日本の場合、公費の3人の秘書給与が合わせて年額2700万円程度が平均です。歳費、秘書雇用費などいずれも諸外国と比べて高水準です。しかし、文書通信交通滞在費、立法事務費も含めて、使用目的の明確化、使途明細書の公表による透明性などがルール化されていません。歳費と秘書雇用費、文書通信交通滞在費、立法事務費で合計約6880万円も国会議員1人に支払われているのですから、使途は明細書の公表の義務化などによって、納税者である国民に明らかにされるべきでしょう。いずれにしろ、9月の総選挙で当選した新人議員を含め、これだけのコストをかけても“お得”と思えるような国会議員であってほしいものです。
参考
「国会学入門」(大山礼子・三省堂)
「政治献金」(古賀純一郎・岩波新書)
フリーライター 関口章子