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手軽さか効き目か、
薬と食品の激しい攻防


健康食品と一般用医薬品の激しい攻防が繰り広げられている。「手軽に買える」健康食品に力を入れる食品メーカーVS「効き目」で勝負の製薬メーカー、私たちの益々の健康のため今後に期待です。






 お医者さんの処方せんを必要とせず、薬局などで買える薬を「一般用医薬品」といいますが、(これに対して、処方せんが無いと買えない薬を「医療用医薬品」といいます)この一般用医薬品の売上が伸び悩んでいます。その原因は、サプリメントなどの健康食品にあると言われています。

 2004年の一般用医薬品の市場規模は、約1兆3,000億円。これは前の年に比べて1%の減少、5年前と比べると約10%の減少です。お医者さんに診察を受けて、薬を出してもらう時の自己負担が1割から2割へ(97年)、2割から3割(02年)となった時に、「これからは薬局で買える一般用医薬品の時代だ!」と叫ばれていたはずなのに、これは一体どういうことなのでしょうか。

 原因はいくつかあると考えられていますが、一つは健康食品市場の拡大が挙げられます。健康食品とは、例えばサプリメントや機能性飲料などのことを指します。
 身近な例としてこんなことが起こっているのではないでしょうか。一般用医薬品の中に「ビタミン剤」というカテゴリーがあります。例えば「アリナミン」や「キューピーコーワ」などです。これら医薬品の「ビタミン剤」を買っていた人が、コンビニなどで売られるサプリメントに買い換えている、ということが起こっているのかもしれません。「疲労回復」「ビタミン補給」「目の疲れに」といった訴求は両者とも違いがないように感じてしまうからです。
 また、今まで「リポビタンD」などのドリンク剤を愛用していた人が、「大豆ペプチド」や「アミノ酸」配合を訴求する機能性飲料に流れた人がいるのかもしれませんし、二日酔いのときに「液キャベ」を手放せなかった人が「ウコン」を使い出した、ということがあるのかもしれません。
 このように、「薬」と「食品」とがその境界線上で激しい攻防を繰り広げているのです。消費者にとっては「薬」か「食品」かという区別は、あまり意味の無いものになろうとしています。

 以前は、「薬」は薬局やドラッグストアでしか買えませんでした。ところが99年と昨年の規制緩和で一部の薬がコンビニやスーパーなどでも買えるようになりました。これがきっかけとなって「薬」と「食品」との競争が激しくなったと言われています。ドリンク剤と清涼飲料水がすぐ近くに置かれることになり、直接競合する関係になったということでしょう。

 しかし、薬品メーカーも黙って見ているだけではなく、様々な対抗策を出しています。例えば、かぜ薬のブランド名をつけたノド飴やマスクなど、従来のカテゴリーの外の市場を取りに行く動きも散見されています。また、コンビニではまだ「飲むかぜ薬」(「貼るかぜ薬」や「塗るかぜ薬」は解禁済み)を販売することはできないのですが、かぜの時に飲む栄養補給ドリンク(かぜ内服液)ならば販売することができるので、それを積極展開して規制緩和を待つことなく先取りする動きも見られます。
 現在は、食品メーカーのマーケティング力が薬品メーカーのそれを上回り、健康食品が一般用医薬品を上回って伸びています。これに対して、製薬メーカーは「効き目」や「品質」を武器に巻き返しを図ることになるでしょう。
 今後も次々と新しい製品がドラッグストアやコンビニに並ぶことを想像すると、店頭から目が離せませんね。

松尾大輔