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大切な老後の生活費、
退職金にも増税の影
現在、比較的優遇されている退職所得。この虎の子の退職金は、重要な老後の生活資金だと思います。しかしそこにも増税の影が・・・。今日は退職所得の仕組みと今後についてご紹介します。
■ 退職金にかかる税金
現行の退職金課税は、他の所得に比べ比較的優遇されています。退職金に対する課税は以下の通りです。
(退職金 − 退職所得控除額)×2分の1 =課税対象となる退職所得の金額
この、退職所得控除額、というのがミソで、勤続年数が20年以下の場合には1年当たり40万円、20年を超えた場合には、超えた年数については1年当たり70万円です。
例を挙げて説明しましょう。22歳で会社に入り、60歳で退職する場合には、
(40万円×20年)+(70万円×18年)=2,060万円が退職所得控除になります。要するにこの場合、退職金が2,060万円以下であれば、税金はかかりません。さらにこの金額を超えていたとしても、課税されるのはその超えた額の2分の1です。そもそも老後の備えという意味合いが強かったため、このように優遇されていたのです。
また、通常退職所得は、源泉徴収されて(退職時に会社に退職所得の受給に関する申告書を提出することが要件)終了しますが、退職後に他の所得がなく、所得控除額(基礎控除や扶養控除等)を他の所得から引ききれなかった場合には、確定申告をして還付を受けることもできます(もちろん所得税を払っている場合のみ)。
■ 退職金を年金で受け取った場合、現物で受け取った場合
一方、退職金を年金形式で受け取った場合(企業年金等)には、国民年金や厚生年金同様、公的年金等所得(雑所得)として課税されます(年金でもらうことに代えて、一時金で受け取れば退職所得になります)。
そのほか、特殊な場合だと思いますが、会社で契約していた生命保険の権利やゴルフ会員権など、現物で受け取った場合等も当然所得税の対象です。ゴルフ会員券はそのときの時価、生命保険の権利は解約返戻金相当額で評価することになります。
■ 今後、退職金課税はどうなる?
先日の税制調査会では、退職金課税について今後見直す予定と発表されました。最近では退職金制度を廃止して毎月の給与に組み込まれて支給される会社も増えてきているようで、そのバランスをとるというのが趣旨のようですが、課税強化の方向に進むことは間違いありません。ここ数年で団塊世代が一斉に定年を迎え、退職をするのでそれをターゲットにして国も必死なのでしょう。
今のところ、勤続年数が20年を超えても、退職所得控除額は1年あたりずっと40万円ということや、勤続年数によっては現在の2分の1課税をなくすことなどが言われています。
具体的にどのように課税が強化されるかはともかくとして、日々の給与についても増税、社会保険料の負担も増え続け、ついには退職金まで課税強化となれば、黙っていれば私たちが手にする収入は減っていってしまうということです。今までは銀行の定期預金に預けておけばOKとお考えだった方も、これからは老後の貯蓄を減らさないための手立てを講じる必要があるのではないでしょうか。
清村 真琴