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こんな投資戦略、
覚えておいて損はない?


株式市場の大きな方向性を見るのに役立つ指標「NT倍率」。使い方を覚えたら、投資戦略に役立つ方法のひとつになるかもしれません。今日はそんな指標を簡単にご説明いたします。






 「NT倍率」、耳慣れない言葉である方も多いと思いますが、株式市場の大きな方向性を見るのに役立つ指標なのです。

 ここ数回で、TOPIX、日経平均株価についてご説明してきましたので、今回はこれに関連する指標である「NT倍率」をご紹介したいと思います。

 「NT」と聞くと、なにやら英語が出てきて難しそうと思われるかも知れませんが、そんなことはありません。「N」は「日経平均株価」のことで、「T」は「TOPIX」のことです。つまり、NT倍率とは、日経平均株価とTOPIXとの相関関係を示す指標なのです。
 NT倍率は、
日経平均株価÷TOPIX
の式により求められます。例えば日経平均株価が11,000円、TOPIXが1,100ポイントであれば、NT倍率は10倍ということになります。

 では、このNT倍率を求めることにどのような意味があるのでしょうか。これは、日経平均株価とTOPIXの算定方法の違いに現れています。
 日経平均株価は、その算定方法上、株価の高い銘柄の値動きの影響を大きく受けるという特徴があります。さらに、2000年4月の大量の構成銘柄入替後は、値がさのハイテク株の影響を多大に受けているといえます。
 一方、TOPIXは、時価総額の大きな銘柄の値動きの影響を大きく受けるという特徴があります。時価総額の大きな銘柄として代表的なものは大手銀行株があげられます。

 このように、日経平均株価とTOPIXとはその算定方法の差異から、影響を受けやすい銘柄が異なっていますから、両指数の値動きの違いをみることで、どのような銘柄が買われて(あるいは売られて)いるのかが分かるのです。

 NT倍率が上昇しているときというのは、日経平均株価の上昇率がTOPIXの上昇率を上回っているとき、あるいはTOPIXの下落率が日経平均株価の下落率を上回っているときということになります。
 逆に、NT倍率が下落しているときは、日経平均株価の下落率がTOPIXの下落率を上回っているとき、あるいはTOPIXの上昇率が日経平均株価の上昇率を上回っているときです。

 言い換えれば、株価上昇局面において、NT倍率が上昇していれば、日経平均株価に影響をより大きく及ぼすハイテク株の上昇率がより高い、逆にNT倍率が下落していれば、TOPIXに影響をより大きく及ぼす銀行株や、銀行株と連動しやすい内需系の銘柄の上昇率がより高くなっているということがいえるのです。

 NT倍率はそれだけで株価と同じようにチャートとして表現することもできますから、チャート分析により、今後のNT倍率の推移を予想することで、将来の投資戦略を立てることが可能となります。例えばNT倍率が長期間下落を続けていた後反発に転じたら、今後のNT倍率の上昇を予測し、日経平均株価に連動しやすいハイテク株を買う、あるいはNT倍率の下落の過程で、TOPIXに連動しやすい、銀行株をはじめとした内需系の銘柄が大きく上昇していたならば一旦利益確定の売りを入れるなどといった具合です。

 今までの経験則上、当然株式市場全体が上がることや下がることもあるものの、ハイテク株と内需系の銘柄は逆の動きをすることが多くなっています。NT倍率の推移を観察することで、大局的な流れが、ハイテク株優位なのか、内需株優位なのかを見極め、投資戦略を練る上で役立ててみてください。

加藤武夫