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株式のキホン!
TOPIXってナニ?


日本の株式市場全体の値動きを示す指標であるTOPIX。この算定方法が大きく変わります。これにより今後の投資戦略がどのようになっていくのか、今週・次週の2週に渡りご説明いたします。






 TOPIXという指標をご存知でしょうか。これはTokyo Stock Price Indexの略であり、日本語では「東証株価指数」と呼ばれます。
 TOPIXは、日本の株式市場全体の値動きを示す指標の1つで、日経平均株価とともに代表的なものとして知られています。
 TOPIXの算出方法は、昭和43年1月4日時点での東証1部上場企業の時価総額(発行済み株式数×株価)の合計を100とした場合、現時点での東証1部上場企業の時価総額がいくらになっているかを計算して算出します。例えば、仮の数字ですが昭和43年1月4日時点での東証1部上場企業の時価総額が30兆円で、現時点でのそれが300兆円としますと、昭和43年1月4日の時価総額を100と考えますから、TOPIXは1000ポイントということになります。

 さて、このTOPIXの算定方法について、非常に大きな改正がなされようとしています。それが「浮動株指数」の導入です。

 上でご説明したとおり、TOPIXを算定する際には、各企業の発行済み株式総数に株価を乗じた時価総額を使っています。
 しかし、今後は各企業の「浮動株」に株価を乗じた時価総額を用いることになります。

 ここで、「浮動株」と「固定株」という概念が出てきますのでこれについて説明しましょう。「固定株」とは、上位10位の大株主や役員の保有する株式、自己株式といったように株式市場での売買がなされる可能性が低い株式をいいます。一方、浮動株とは、固定株以外の株式であり、株式市場にて容易に売買可能である株式をいいます。

 では、なぜTOPIXは「浮動株」をベースにした算定方法に改めようとしているのでしょうか。これにはいくつか理由があります。
 1つは、海外において、主要な株価指数を算定する際には、浮動株をベースにしているものが多くなっているため、海外の株式相場の変動との相関関係を見るために整合性を図るというものです。
 もう1つは、ETFなどのようにTOPIXとの連動をめざす投資信託(指数連動型投資信託、パッシブ型投資信託などとも呼ばれます)の存在が大きくかかわっています。
 TOPIXとの連動をめざす投資信託は、資金を東証1部の各企業の時価総額に応じて配分していきます。簡単に説明すると、株式市場には銘柄A,銘柄B,銘柄Cの3銘柄しかないとして、銘柄A、B、Cの時価総額がそれぞれ500、300、200であるとすれば、指数連動型のある投資信託が100の資金を配分するときには、それぞれ50、30、20の割合で銘柄A、B、Cを買い付けていくことになります。
 ここで問題となるのは、銘柄によっては浮動株の割合が低いものと高いものとがあるということなのです。浮動株の割合が低い銘柄は、市場に出回っている株式数が発行済み株式数に比べて少ないということですから、TOPIXに連動する投資信託に流入する資金が増加してくれば、そうした銘柄にも多くの買い需要が発生しますが、市場に出回る株式数が少ないことから、業績などとは関係のないところで株価の乱高下を招いてしまうことになってしまいます。以前、東急建設が第三者割り当て増資を行った際、発行済み株式の増加によりTOPIX連動型投資信託などが新たに東急建設株式を買い付ける必要が生じました。そこに目をつけて、TOPIX連動型投資信託が東急建設株式を買い付けする前に、他の投資家が大量に先回り買いをした結果、浮動株の少ない東急建設の株価は急上昇し、結果としてTOPIX連動型投資信託は、非常に高い株価で東急建設株を買わされたということになってしまったという例もあります。
 そこで、「浮動株」をベースにした算定方法に変更することで、需給のゆがみを改善しようとしているのです。

 以上、今回はTOPIX算定方法の現状と問題点についてご説明いたしました。次回は「浮動株」をベースにすることにより生じる影響や対応策について、引き続き解説していきたいと思います。

加藤武夫