Bluetooth Oficial Site http://www.bluetooth.com/
□ Bluetoothとは
Bluetoothという名前を聞いたことがありますか? これは携帯端末や周辺機器を無線でつなぐ際のデータ通信の規格ですが、筆者は今後大ブレークするのではないかと考えています。これが普及することは携帯端末のあり方を大きく変える可能性を持っています。
□ 賛同企業は1790社!
そもそもBluetoothとはコードネームで、デンマークとノルウェーをキリスト教で平和的に統一したことで知られる10世紀の初代デンマーク国王「ハーラル青歯(Harald Blatand)王の名前に由来します。発端はスウェーデンのエリクソンが携帯電話とパソコンを接続する新しい無線通信として考案したものだったのですが、フィンランドのノキア、米国のIBM、インテルと日本の東芝が加わって98年5月にBluetooth SIG(special interest group)として規格の標準化団体が出来上がりました。その後、マイクロソフト、スリーコム、モトローラなど次々に賛同企業が増え続け、直近では1790社にのぼっています。このことからもこの技術のテクノロジー業界に与える影響の大きさをわかっていただけると思います。
□ 具体的な特徴
それでは具体的にどのような特徴を持っているかについてコメントしたいと思います。
| 1)伝送距離は10mと狭いため、携帯端末に適しています。逆に云えば社内LANなどには不適です。 |
| 2)伝送スピードは現段階では720kb/秒と最新の無線LANの11Mb/秒と比較すればはるかに遅いのですが、MP3の音楽なら1曲あたり1分程度で転送可能で当面、実用化に際しての決定的な障害にはならないでしょう。またバージョンが進めば高速の仕様のものも出てくると考えられます。 |
| 3)障害物に強い。壁などをまたいだ場合は不明ですが、基本的には鞄の中に入れておいても電波は届きます。テレビのリモコンにも採用化可能です。 |
| 4)双方向であること。このことは応用範囲を拡大させます。 |
□ 携帯電話をキーにした応用が有望では?
この特徴を生かして様々な用途が考えられています。現段階で想像し得ないものにまで発展する可能性はありますが、現在、筆者が注目しているのは携帯電話をキーにした応用です。これは既に次世代の携帯電話の標準であるW-CDMAにこのBluetoothが載ることが決まっているからです。この携帯と家電製品との融合を考えると、携帯電話とMP3プレイヤーの場合はどうなるでしょうか?今はパソコン等からダウンロードしたMP3ファイルを、メモリーカードなどに書き込み、それをMP3プレイヤーで聞くという煩わしい手順が必要でしたが、Bluetoothを搭載すれば、わざわざ移し替える必要がなく、携帯電話を鞄の中に入れたままで好きな音楽をダウンロードしてその場で聞けるようになります。
ゲーム機ではわざわざ配線などしないでも数人による対戦ゲームなどが楽しめるようになります。
車載製品での応用はさらに魅力的です。例えばカーナビと携帯電話を接続すれば、携帯から渋滞情報を随時得ることができ、さらにカーナビ上のデータをネット接続することができるので、駐車場の情報やレストラン情報などのリアルタイムの情報を活用できます。しかも携帯さえ手元に持っていればいちいち接続しなくてもハンズフリーフォンでデータのやり取りも会話もできるのです。
□ チップ化でコストダウンが可能
このBluetoothが普及するに当たってキーになるのがコストです。これはチップ化して大量生産することによって飛躍的なコストダウンが可能です。現在は20$程度のものが、来年には5$程度まで低下することが見込まれています。
□ 普及のスピード
2000年の後半にはBluetooth対応の搭載機器が市場に出てくる見込みです。ただし、多くのハイテク機器がそうであるように単独での効果は限られており、普及が一定レベルまで高まると飛躍的に利便性が増し、またそれが普及につながる好循環が生まれます。これをメトカーフの法則(注)といいます。ここでも最初に触れたBluetooth SIG賛同企業が1790社もあるということが強みを発揮するわけです。
□ 日本企業へのインパクト
筆者はやはり携帯がキーになると考えているため、NTTドコモの果たす役割は大きくなると思っています。既にiモードで携帯電話によるインターネット接続を可能にした功績は大きいのですが、今後このBluetoothの普及によって携帯電話がターミナル的な役割を持つ可能性は高まると思っています。一方で携帯電話にPCやAVプレイヤーとしての付加機能を持たせる必要がなくなり、携帯電話端末のハード面での限界がなくなります。従来指摘されていた電源などの問題がクリアされることにより、携帯端末のできる範囲が広がると考えられます。 同社にとっては携帯電話の普及率の高まりにより、音声通信の収益貢献は既に限界が見えてますが、データ通信を増やすことによって持続的な成長に期待が持てるようになると考えています
| (注)スリーコムの創業者でイーサネット(Ethernet)の発明者のボブ・メカトーフが1995年に提唱し始めた。「ネットワークの価値は加入者に比例して増大し、ある時点からその価値は飛躍的に高まる」という法則。=「ネットワーク効果」一人のユーザーにとってのある製品の価値がその製品のユーザーの総数によって決まることをいう。 |